Rubyの将来性と需要は?市場動向や技術のトレンドをふまえて解説
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Rubyは「オワコン」「需要は低い」などの声を最近よく耳にします。
Rubyエンジニアを目指している人や、現在Rubyエンジニアとして活躍中の人のなかには、その将来性を危惧する声があるのも事実です。
そこで本記事では、懸念点や技術トレンドをふまえ、Rubyの現実的な将来性や需要について詳しく解説します。
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- 【この記事を読んでわかること】
- 一時期よりも人気は低下しているが、求人数や年収からRubyの需要の高さと将来性をうかがえる
- 新規開発でRubyを採用する企業は減ったが、Rubyでサービスを立ち上げた企業は多いので、保守や別言語への移植で需要がある
- プログラミング言語の習得をRubyのみにこだわると、獲得できる案件の幅が狭くなるため危険
- Rubyエンジニアのなかでも需要の高いのは、経験年数が3年以上あり、別言語の経験やクラウド環境での開発経験があること
Rubyの将来性と需要
Rubyは初心者でも習得しやすいことで定評のある、日本生まれのプログラミング言語です。
ほかの言語にくらべて簡潔なコードでスピーディーにWebシステムを実装できるため、日本のみならず海外でもさまざまなサービスで使われています。
Twitterやクックパッドなどの有名なサービスでRubyが数多く採用されていることからも、その需要の高さをうかがえるでしょう。
その一方、Rubyに取って代わる言語としてGoやTypeScriptの需要が高まり始め、Rubyの将来性や需要を心配する声も多くなってきました。
そこでまずは、求人案件や年収の面からRubyの将来性と需要度をひも解いていきます。
- Rubyエンジニアの市場動向を調査
- 市場動向からみてRubyエンジニアの需要はまだ高い
Rubyエンジニアの市場動向を調査
Rubyエンジニアの市場動向を知るため、求人数・正社員平均給与・フリーランスの給与期待値の観点で調査してみました。
【大手求人サイトでの募集数】
大手求人サイトでの募集数は上昇傾向にあり、Rubyエンジニアの求人数は2022年6月と2023年6月の比較で約4.9倍です。
求人数の増加傾向から見て、需要が落ちている状況は読み取れません。
※大手求人サイトが公開しているグラフデータや実際の求人数を数値化して算出しています。
【大手求人サイトでの年収平均】
大手求人サイトのRubyエンジニア正社員募集での給与平均は590万円です。
平均的なITエンジニアの給与は569万円なので、正社員給与の面からみてもRubyエンジニアの需要の高さがわかります。
【フリーランスでの給与の期待値】
大手フリーランス募集サイトでの人月単価は71万円が平均で、12ヶ月間稼働した場合のフリーランスでの年収期待値は852万円です。
未経験可の案件では30万円台のケースもありますが、経験年数が3年以上あると50万円を超える案件が増え、さらにハイクラスのエンジニアであれば100~120万円のケースもあります。
※上記の正社員情報とフリーランス情報は、いずれもランダムに求人情報を抽出して平均を算出しています。
また平均的なITエンジニアの平均年収は、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに算出しています。
市場動向からみてRubyエンジニアの需要はまだ高い
市場動向の調査結果をふまえると、Rubyエンジニアの需要はまだ高いことがわかります。
特にフリーランスの場合、経験年数3年以上を超えると、経験の浅いエンジニアにくらべて倍以上の単価を提示されるケースが多いです。
これは、既存のRubyで構築されたWebシステムの保守や別言語への移行で、経験豊富なエンジニアが不足していることも理由のひとつと考えられます。
ここまでは、Rubyの将来性と需要の高さを市場動向の観点で解説しました。
次ではRubyの将来性が高いといえる理由を、技術動向の観点でさらに深堀して見ていきましょう。
Rubyの将来性が高いと言える理由
Rubyの将来性が高い理由として以下の3つが挙げられます。
- 開発期間の短縮やコスト削減の効果が高い
- Rubyで動く既存Webシステムが多い
- 3年以上のRubyエンジニアは人材が不足気味
それぞれについて詳しく解説していきます。
開発期間の短縮やコスト削減の効果が高い
Rubyのメリットは、簡単かつスピーディにWebシステムを開発できることにあります。
経験豊富なシニア層のエンジニアが開発すれば、その開発効率の良さを存分に発揮し、スケジュールの短縮やコスト削減で大きな効果を得られます。
将来的に大規模システムになる想定の開発では、GoやTypeScriptが採用されることが多いものの、コスト削減とスピード感重視の場合、Rubyを採用するケースがまだあります。
Rubyで動く既存Webシステムが多い
新規開発で採用されるケースが少なくなってるとはいえ、Rubyで開発されたWebシステムは数多く存在するので、保守対応ができるRubyエンジニアの需要は高いです。
規模拡大にともなうWebシステムのアップグレードでは、Rubyから別言語へ移行するケースもありますが、その場合もRubyエンジニアの設計力やコード解析力が重宝されます。
3年以上のRubyエンジニアは人材が不足気味
Rubyエンジニアは3年ほど経験すると別の言語に移行する傾向があります。
その理由は、おもに以下の2つといわれています。
- 簡単すぎるがゆえRubyに飽きてしまう
- Rubyの仕組みの深層部分が、カプセル化されていてわかりづらい
そのため経験年数3年を境にRuby人材が減少する傾向にあり、経験豊富な人材ほど不足気味です。
それでも前述のとおり、企業では経験豊富なRuby人材を求めているので、人材不足とあいまって需要は高くなる傾向にあると考えられます。
ここまでは、Rubyの将来性の高さを技術動向の背景から解説しました。
次では、Rubyの将来性を考えるうえでのリスク要因を見ていきましょう。
Rubyの将来性を考える上でのリスク要因
Rubyの将来性がまだ高いとはいえ、その将来性は必ずしも安泰というわけではありません。
そこでRubyの仕事が減る潜在的なリスクや、すでに顕在化しているリスクを3つ見ていきます。
- 新規開発でRubyは採用されにくい
- リプレイス案件でRubyで採用するケースはない
- Rubyに頼りきっていると案件獲得の幅が狭まる
新規開発でRubyは採用されにくい
かつてはスタートアップやベンチャーで数多く採用されてきたRubyですが、LAMP環境が流行りだしたころからRubyの存在感は薄れ始めました。
LAMPは、Linux・Apache・MySQL・PHP(Perl)の頭文字をとった略で、低コスト・高速・安定したシステム開発と運用がメリットです。
環境構築の面でもわかりやすいため、多くの企業がLAMP環境を採用するようになりました。
また、ゆくゆくは大規模システムに成長させることも見越し、GoやTypeScriptを採用するケースが多くなっています。
Rubyが隆盛を誇っていた時代にくらべると新規開発では落ち目なことは事実で、すでに顕在化しているリスクのひとつです。
リプレイス案件でRubyで採用するケースはない
既存システムが老朽化すると、別言語でリプレイスするケースはよくあります。
しかしRubyで新規開発することはあっても、別の言語で開発されたWebシステムをRubyでリプレイスする案件はなかなか耳にしません。
特に、Rubyはインタープリタ言語です。
コンピューターが理解できるマシン語への変換を、コードの1行単位に行っていくので、一括でマシン後に変換するコンパイラ言語にくらべると処理が遅い傾向にあります。
そのため大規模システムとは相性が悪く、リプレイス案件で採用されることは少ないでしょう。
以上をふまえると、保守開発に限られるなどRuby案件の幅が狭くなっているのが現状で、Rubyエンジニアにとって大きなリスクと考えられます。
Rubyに頼りきっていると案件獲得の幅が狭まる
Rubyのおもなメリットは以下の4つです。
- Webシステムの構築が簡単
- コードが簡潔でわかりやすい
- フレームワークはRuby on Railesひとつ
- データベースを意識しなくても操作できる
この4つのメリットが、プログラミング経験の浅い人でも習得しやすい理由になっていますが、逆にこれがスキルアップの足かせになることがあります。
たとえば、簡単にデータベースを操作できるActiveRecordは、データベースの本質を理解しなくても扱えてしまう点が厄介です。
データベースはどのシステムに欠かせない存在なので、その知識や設計スキルも磨けば、より高度なエンジニアに成長できます。
しかしRubyのActiveRecordに頼りきっていると、大げさにいえばRubyでしかシステム開発できないエンジニアに留まってしまう懸念があります。
前述のとおりRubyの案件の幅は狭くなっているので、その特徴だけを活かした開発に頼っていると担当できる案件も限られ、収入に伸び悩むケースも出てくるでしょう。
ここまでは、Rubyの将来性を考えるうえでのリスク要因を3つ解説しました。
次では、Rubyのなかでも、特に需要と将来性が高い人材の特徴を見ていきましょう。
Rubyの中でも特に需要と将来性が高い人材の特徴
Rubyのなかでも特に需要と将来性が高い人材の特徴を、高単価案件で必須要件になっているケースが多い以下3つの観点で解説します。
- 求められる経験年数は3年または5年
- 別のプログラミング言語のスキルや経験がある
- データベースの設計やインフラ構築もできる
求められる経験年数は3年または5年
高単価案件では、Rubyの実務経験の年数が必須要件に入っているケースが多いです。
経験年数は3年以上または5年以上を問われるケースがほとんどでしょう。
これは、前述のとおり既存Webシステムの保守案件が多いなかで、経験豊富なエンジニアに対応してほしい企業のニーズがあると考えられます。
別のプログラミング言語のスキルや経験がある
Ruby以外に複数のプログラミング言語スキルがあれば、より高単価の案件を獲得可能です。
たとえば、最近人気のあるPythonの開発経験もあると、120~130万円台の高単価になるケースがあります。
また、Ruby以外の言語スキルを求められるケースでは、Rubyから別言語へリプレイスする案件や複数のシステムを扱う案件で多いです。
Rubyの保守開発に加え、別言語へのリプレイスや別言語で稼働中の保守開発にも携われるので、その分単価も高くなります。
AWSなどのクラウド環境での開発経験がある
100万円を超える高単価案件では、Rubyの経験年数3年に加え、AWSなどクラウド環境での開発経験が含まれているケースが多いです。
近年はコスト削減からAWSやAzureを活用している企業が多く、その環境下で開発した経験があるかどうかが重視される傾向にあります。
また、クラウド環境での開発では別サービスとの連携でAPIを利用するケースも増えるので、API連携の経験やインターフェースの設計経験も求められることが多いでしょう。
ここまで解説した以外にも、サブリーダー以上の経験がある人やマネジメント経験のある人は、より高単価なプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーの案件を獲得できる可能性があります。
技術面では、AI・IoT・ブロックチェーンなどの最新技術にも詳しければ、さらなる高収入を望めます。
ただし、これらの最新技術とRubyは相性がよくないので、Pythonなどの相性のいい言語を習得するのがおすすめです。
ここまでは、Rubyのなかでも特に需要と将来性が高い人材の特徴を3つ解説しました。
次では、Rubyの転職・フリーランス案件も豊富に取り扱っているエイジレスのサービスを紹介させていただきます。
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まとめ|Rubyを3年以上続ければ将来性や市場価値が高まる
本記事では、以下のことがわかりました。
- 一時期よりも人気は低下しているが、求人数や年収からRubyの需要の高さと将来性をうかがえる
- 新規開発でRubyを採用する企業は減ったが、Rubyでサービスを立ち上げた企業は多いので、保守や別言語への移植で需要がある
- プログラミング言語の習得をRubyのみにこだわると、獲得できる案件の幅が狭くなるため危険
- Rubyエンジニアのなかでも需要の高いのは、経験年数が3年以上あり、別言語の経験やクラウド環境での開発経験があること
新規開発でRubyが採用されるケースが少ないことは事実ですが、Rubyで開発したWebサービスは多く存在するので、その保守開発でRubyエンジニアは重宝されます。
また、Rubyから別の言語へのリプレイスでも、Rubyエンジニアの設計力・プログラミングスキルは頼りにされるでしょう。
その一方、3年ほどで別の言語に移行するRubyエンジニアが多い傾向にあるので、企業が求める経験豊富なRubyエンジニアは不足気味です。
逆にいえば、長く続けたほうがRubyエンジニアとしての市場価値が高まり、高単価案件も狙いやすくなります。
ただしRubyのみにこだわらず、別の言語やクラウド環境など、新しい技術や業務に日ごろからチャレンジして努力を続けることが大切です。
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