PMOの役割とは?職種別の役割やタスク例・求められるスキルを解説

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おいとま

★ライターさんへのフィードバック 記事作成お疲れさまです! 丁寧でわかりやすい内容で、ほぼ文句なしの内容でした! (表現や語尾の微調整はさせていただきました。) あとほんの少し見直してもらえると、読者にイメージがさらに伝わりやすい内容になる箇所が2点ありましたので、ご確認のうえ修正をお願いします。 ◆フィードバックの箇所 ・H4「プロジェクトに関連する各種情報の分析」 ・H4「PMOメンバーの管理・教育」

PMOの仕事に興味があるけど、その役割や仕事内容がよく分からないという人も多いのではないでしょうか。PMOはプロジェクト成功のキーマンですが、周囲からは役割が見えづらいのも事実です。
この記事では、PMOの役割に焦点を当てて、職種別の役割・おもなタスク・求められるスキルを詳しく解説していきます。

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  • 【この記事を読んでわかること】
  • PMOの役割は、プロジェクト推進の支援や組織全体のプロジェクトマネジメントの質の向上を図ること
  • 具体的には、プロジェクトマネジメントに関する事務サポートや情報分析・標準化に加え、組織全体を俯瞰した戦略立案などを担う

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PMOの役割とは

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)とは、企業や組織全体でプロジェクトマネジメントを効果的に運用・管理するための部門や人材のことです。

まずは、PMOの役割や重要性をよく知るために、下記の3つを見ていきましょう。

  • PMOの役割はプロジェクトの支援とプロジェクトマネジメントの底上げ
  • PMとPMOの違い
  • PMOの重要性は今後もますます高まる

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PMOの役割はプロジェクトの支援とプロジェクトマネジメントの底上げ

DX(デジタルトランスフォーメーション)の広がりやIT技術の進歩により、ITプロジェクトの多様化・複雑化が進んでいます。
それにともない、プロジェクトの成果を最大化し、リスクを最小限におさえるための組織的な取り組みが求められるようになりました。
その中で、個々のプロジェクトの成功や組織全体のプロジェクトマネジメントの質と効率を高めるために、PMOは下記のような役割を担います。

  • プロジェクトに関する各種事務作業の実施
  • プロジェクトマネージャーの支援
  • プロジェクトツールの開発・導入
  • プロジェクトマネジメント方式の標準化
  • 組織のプロジェクトマネジメント戦略の策定

このあと、PMOの職務や役割・具体的なタスクを詳しく解説していきます。

プロジェクトマネージャー(PM)とPMOの役割の違い

プロジェクトマネジメントを担う仕事といえば、プロジェクトマネージャー(PM)をイメージする人が多いでしょう。PMとPMOにはどのような役割の違いがあるのでしょうか。

PMは、個別のプロジェクトを管理・推進する責任者です。プロジェクトのスケジュール・予算・品質・課題などを管理し、プロジェクトを成功に導く役割を担います。
一方、PMOは組織全体の視点からプロジェクトマネジメントの品質や効率を高める役割です。組織横断的にプロジェクトを支援・監視したり、組織全体のプロジェクトマネジメントのレベルアップを図ったりします。

それぞれを一言であらわすと、「個別プロジェクトの成功」を目指す人材がPMであり、「組織全体のプロジェクトマネジメントの成功」を目指す部門や人材がPMOです。

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PMOの重要性は今後もますます高まる

PMOは、現代の複雑かつ多岐にわたるプロジェクト環境で、組織的にプロジェクトを成功に導く重要な役割を担っています。
今日のビジネス環境は変化が激しく、プロジェクトが並行して動くことも少なくありません。複数のプロジェクトの管理・推進を個々のPMやプロジェクトメンバーの力量に頼っていては、全体の効率や一貫性、品質を保つことは難しいです。
そこで、プロジェクトマネジメント方式の標準化・効率化・全体最適の視点でのリソース管理など、組織全体のプロジェクト成功をサポートするPMOの役割が求められています。
PMOは、ITプロジェクトが多様化・複雑化する中で、今後もますます重要性が高まっていくでしょう。

ここまでは、PMOの役割とその重要性を解説しました。
ここからは、PMOの職種と役割を解説していきます。

PMOの職種と役割一覧

PMOの普及を目指して活動している「一般社団法人 日本PMO協会(NPMO)」では、役割によってPMOを下記3つの職種に分類しています。

  • PMOアドミニストレーター
  • PMOエキスパート
  • PMOマネジャー

PMOアドミニストレーターは、プロジェクトに関するさまざまな事務的な作業や調整を支援することが主な役割です。PMOエキスパートは、プロジェクトの成功や組織的なプロジェクトマネジメントの底上げのため、環境整備や標準化などを担う職種です。そしてPMOマネジャーは、PMO組織の管理を担います。

各職種のおもな役割を一覧にまとめると、以下のとおりです。

PMOアドミニストレータープロジェクトに関する各種事務作業の推進
コミュニケーションサポート
プロジェクト状況分析のための情報収集
PMOエキスパートプロジェクトに関連する各種情報の分析
プロジェクトツールの開発・導入
プロジェクトマネジメント方式の標準化
PMOマネジャー組織のプロジェクトマネジメント計画の策定
PMOメンバーの管理・教育
PMO活動の円滑な運営

それぞれの役割を具体的に見ていきましょう。

PMOアドミニストレーター:事務的な作業や調整を担う職種

まずは、プロジェクトの事務的な作業や調整を行う「PMOアドミニストレーター」の、3つのおもな役割を見ていきます。

  • プロジェクトに関する各種事務作業の推進
  • コミュニケーションの円滑化
  • プロジェクト状況分析のための情報収集

プロジェクトに関する各種事務作業の推進

PMOアドミニストレーターのもっとも重要な役割は、プロジェクトに関する各種事務作業の推進です。
プロジェクトには、文書の管理・進捗の収集と報告・予算の管理など、数多くの事務的なタスクが存在します。これらのタスクは単純ですが、適切なタイミングで正しく実施しないと、プロジェクトの進行や成果に支障をきたす重要な作業です。
PMOアドミニストレーターは、こうした事務作業を引き受けることで、PMやプロジェクトメンバーが本来のタスクに専念できるようサポートします。

コミュニケーションの円滑化

プロジェクト関係者間のコミュニケーションの円滑化も、PMOアドミニストレーターの重要な役割の1つです。
プロジェクトの成功には、関係者間の適切な情報共有や認識の統一が欠かせません。しかし、異なる部署・パートナー企業・業務部門など多様なステークホルダーが関わるプロジェクトでは、連携漏れや認識のズレなどが生じやすいのが現実です。
PMOアドミニストレーターは、会議の調整/進行・会議後の議事録作成/展開・コミュニケーションツールでの情報共有などにより、関係者間での情報伝達をサポートします。

プロジェクト状況分析のための情報収集

紹介する役割の3つ目は、プロジェクトの状況を分析するための情報収集です。
プロジェクトの状況を正確に把握するためには、さまざまな情報を必要とします。そのためにプロジェクトの進捗情報・リソース状況・品質などのデータを関係者から収集し、整理する作業もPMOアドミニストレーターの重要な役割です。
収集した情報は、PMやPMOエキスパートが分析し、プロジェクトの問題点把握や解決策の検討に活用されます。

PMOエキスパート:プロジェクトマネジメントの分析や標準化を担う職種

続いて、組織的なプロジェクトマネジメントの底上げを図る「PMOエキスパート」の3つのおもな役割を解説します。

  • プロジェクトに関連する各種情報の分析
  • プロジェクト管理ツールの開発・導入
  • プロジェクトマネジメント方式の標準化

プロジェクトに関連する各種情報の分析

PMOエキスパートの役割の1つは、多岐にわたるプロジェクト情報の詳細な分析です。分析結果は、プロジェクト推進の判断材料や組織的な資産として活用されます。
プロジェクトの進行中に発生する情報は、下記のようにさまざまです。

  • 進捗
  • 予算消化
  • 工数
  • 品質
  • 課題・リスク

これらのデータは、単純に見るとただの数値や事実にすぎません。しかし、適切な分析により、プロジェクトの進行や成果に直結する「価値のある情報」に変えられます。たとえば、進捗と予算消化のデータから、プロジェクトのコスト効率や計画の妥当性に関する洞察が得られるでしょう。

また、分析・整理された情報は、プロジェクトの効率化や品質向上のためのベストプラクティスやガイドライン作成にも役立ちます。これにより、組織的なプロジェクトマネジメントの「質や効率」のレベルアップが可能です。

おいとま

「これらはそのままでは単なるデータですが、適切な分析により価値のある情報に生まれ変わり、プロジェクト成功のための洞察につながります。また、分析した情報は蓄積され、組織的なプロジェクトマネジメントのレベルアップにも活用が可能です。」 こちらの段落の内容が少し抽象的になっているので、以下の部分を見直してもらえると、読者の理解度が増します! ・「価値のある情報」とはなにに対して価値のある情報か ・「組織的なプロジェクトマネジメント」のなにがレベルアップするのか

しーそー

ありがとうございます。 長くなりすぎない程度に具体的に記載しました。

プロジェクト管理ツールの開発・導入

プロジェクトの効率化や品質向上を目的とした、プロジェクト管理ツールの開発や選定・導入もPMOエキスパートの役割です。
IT技術やトレンドの変化にともない、システム開発の方法論やツールも進化しています。ITプロジェクトを通じてビジネスの競争力を高めるためには、既存のやり方に固執せず、新たな手法やツールの導入も重要です。
そのためPMOエキスパートは最新の情報やトレンドをチェックし、プロジェクトの特性や自社の企業文化などに適したツールを選定・導入、または開発します。さらに、各プロジェクトがツールを最大限活用し、成果を上げるためのサポートも重要な役割です。

プロジェクトマネジメント方式の標準化

PMOエキスパートは、組織内のプロジェクトマネジメントに関するさまざまな標準化を推進する役割も担います。
各プロジェクトがそれぞれ異なる手法・ツール・書式・指標などを用いることは、非効率なうえ、品質がバラつく原因です。また、プロジェクトごとに異なる様式で成果物を作成していては、前述した分析のためのデータ収集も難しいでしょう。
そこでプロジェクトによるバラつきを防ぐため、PMOは手法・ツール・書式・指標などを標準化します。標準化は、組織全体のプロジェクトマネジメントの水準を高め、個々のプロジェクトを成功させる土台となる重要な活動です。

PMOマネジャー:PMO組織の管理を担う職種

最後に、PMO組織の管理を担う「PMOマネジャー」の3つのおもな役割を見ていきましょう。

  • 組織のプロジェクトマネジメント計画の策定
  • PMOメンバーの管理・教育
  • PMO活動の円滑な運営

組織のプロジェクトマネジメント戦略の策定

PMOマネジャーの重要な役割の1つは、組織全体のプロジェクトマネジメントの方向性を決める戦略の策定です。
組織のビジョンやミッションにもとづいて、プロジェクト推進やリソース割り当ての方針を定める役割が求められます。また、市場動向や組織の状況を踏まえて、プロジェクトの方向性や優先順位を定めるための戦略策定・提案も重要です。
このように、PMOマネジャーは組織全体が一丸となってプロジェクトを成功に導くための動きを促進する役割を担います。

PMOメンバーの管理・教育

PMOメンバーの管理と教育もPMOマネジャーの役割です。
プロジェクトマネジメントの質は、その実行に関わる人々のスキルや知識に大きく依存します。並行する複雑なプロジェクトを成功させるためには、PMOのメンバーが高い専門性と、一貫したプロジェクト運営の基準やアプローチを持つことが欠かせません。

おいとま

「PMOのメンバーが高い専門性と一貫性を持つことが欠かせません。」 「一貫性」をより具体化してもらえると、読者もイメージがわきやすいです。 プロジェクト運営方針、プロジェクト推進にあたっての考え方など、視点はさまざまだと思いますが、しーそーさんが考える一貫性を端的に表現してもらえると助かります!

しーそー

ありがとうございます。 一貫性の内容を記載しました。

PMOマネジャーは、メンバーの採用・育成・スキルアップの推進などを通じ、組織全体のプロジェクトマネジメントのレベルアップを図る役割も担っています。

PMO活動の円滑な運営

PMOマネジャーは、PMO活動の円滑な運営も重要な役割の1つです。
プロジェクトでは社内外のさまざまなステークホルダーが関わるため、プロジェクト当事者だけでは解決に時間を要する問題が発生する場合があります。また、複数のプロジェクトが並走している場合には、プロジェクト間でリソースや予算などの利害がぶつかるケースもあるでしょう。
PMOマネジャーは、こうしたプロジェクトの枠を超えた問題が発生した際に、公平な立場から円滑に解決に導く役割が求められます。

以上、PMOの職種と役割を解説してきました。
続いては、PMOの具体的なタスクを見ていきましょう。

具体的なPMOのタスク一覧

PMOは具体的にどのようなタスク・作業を行なっているのでしょうか?
ここでは、上で紹介した3つの職種からそれぞれ代表的な役割を1つピックアップし、具体的なタスク例を紹介します。

一覧にまとめると以下のとおりです。

プロジェクトに関する各種事務作業の実施プロジェクトドキュメントの管理
会議体の日程調整・通知・運営
プロジェクト進捗状況の収集・管理
プロジェクトマネジメント方式の標準化各種テンプレートの作成・更新
プロジェクト管理手続きの文書化
品質管理基準の設定
PMO活動の円滑な運営プロジェクトポートフォリオの管理
組織に合わせたPMO活動のカスタマイズ
プロジェクトマネジメントに関するナレッジ管理

それぞれの内容を見ていきましょう。

「プロジェクトに関する各種事務作業の実施」のおもなタスク

PMOアドミニストレーターの「プロジェクトに関する各種事務作業の推進」では、下記のようなタスクがあります。

  • プロジェクトドキュメントの管理
  • 会議体の日程調整・通知・運営
  • プロジェクト進捗状況の収集・管理

それぞれの内容を具体例を交えて見ていきましょう。

プロジェクトドキュメントの管理

ドキュメントの適切な管理は、プロジェクトの成功に欠かせないタスクです。
プロジェクトでは、下記のようなプロジェクトの運営や開発に関わるさまざまなドキュメントが作成されます。

  • プロジェクト計画書
  • 設計書
  • テスト計画
  • 会議議事録
  • 契約書

プロジェクトを円滑に進めるには、こうしたドキュメントに対して、必要なときに簡単にアクセスできるようにしなくてはなりません。
PMOは、関係者にわかりやすいドキュメント管理体系とルールを定め、メンバーに運用を徹底します。

会議体の日程調整・通知・運営

日々開催される会議の円滑な運営は、プロジェクトをスムーズに推進するための重要なタスクです。
プロジェクトでは、下記のような規模も目的も異なるさまざまな会議が開催されます。

  • チーム内の定例会議
  • 設計・テストのレビュー
  • プロジェクト全体の進捗報告
  • 経営層への状況報告

上位の会議になるほどプロジェクトのステークホルダーは多岐にわたるため、参加者の予定を合わせることは至難の業です。PMOは参加者の日程調整から会議設定・通知、資料準備・進行・議事録作成などを担い、会議の円滑な運営を支援します。

プロジェクト進捗状況の収集・管理

プロジェクトの進捗に関する情報の収集・管理も、PMOの重要なタスクの1つです。
スケジュールの遅延が深刻な事態に発展する前に手を打つためには、タイムリーな進捗状況の把握と原因の特定が欠かせません。各チームが個別に進捗を管理している場合、チーム内で問題を抱え込んでしまい、発覚したときには手遅れになっていることも少なくありません。
PMOは各チームから適宜情報を吸い上げて進捗の異常を検知し、PMとともに組織的な問題解決策の実行やリソースの再配分などの支援を行います。

「プロジェクトマネジメント方式の標準化」のおもなタスク

PMOエキスパートの「プロジェクトマネジメント方式の標準化」で実施するタスクは、おもに下記のとおりです。

  • 各種テンプレートの作成・更新
  • プロジェクト管理手続きの文書化
  • 品質管理基準の設定

各タスクの内容を具体例を交えて解説します。

各種テンプレートの作成・更新

ドキュメントや管理資料のテンプレート作成は、PMOの重要なタスクです。
プロジェクトごとに都度ドキュメントの書式を策定する場合、時間と労力がかかるうえ品質や情報にバラつきが生じます。
組織的にテンプレートを整備すれば、成果物作成の効率化と品質確保が可能です。また、管理資料から収集できる情報が統一されると、分析作業も効率化されるでしょう。
テンプレート作成では、社内の成功事例や社外のベストプラクティスを参考にしつつ、現場のニーズも踏まえたカスタマイズが重要です。また、変化する技術やトレンドをキャッチして、テンプレートの定期的な更新も求められます。

プロジェクト管理手続きの文書化

PMOの重要なタスクの1つに、プロジェクト管理手続きの文書化があります。
プロジェクト管理手続きは、各工程の作成ドキュメントやレビュー方法、承認プロセスなどの手続きやルールを定めたものです。
明確でわかりやすいガイドラインを作ることで、全プロジェクトメンバーが共通の認識を持ってプロジェクトを進められます。
たとえば、新しいメンバーが参画した場合、文書化された手続きがあれば迅速に業務に取り組めるでしょう。また、手続きを忘れた既存のメンバーもすぐに確認できます。
このように、プロジェクト管理手続きの文書化は、プロジェクトの円滑な運営に欠かせないPMOの重要なタスクです。

品質管理基準の設定

プロジェクトの品質を一定水準に保つためには、組織的な品質管理基準の設定も欠かせません。
基準が不明確だと、成果物の品質が人やチームに依存し、バラつきが出てしまいます。
たとえば、テストのケース密度やバグ密度の基準が定まっていない場合、ケース消化やバグ摘出が不十分なままテストをパスする可能性があります。その結果、プロジェクト全体の品質が低下し、顧客やユーザーの信頼を失うことになりかねません。
PMOは、全プロジェクトをとおして共通の品質管理基準を定め、各プロジェクトが適切に活用できるよう運用します。

「PMO活動の円滑な運営」のおもなタスク

PMOマネジャーの「PMO活動の円滑な運営」では、おもに下記のようなタスクを実施します。

  • プロジェクトポートフォリオの管理
  • 組織に合わせたPMO活動のカスタマイズ
  • プロジェクトマネジメントに関するナレッジ管理

それぞれの内容を具体例を交えて見ていきましょう。

プロジェクトポートフォリオの管理

プロジェクトポートフォリオの管理は、組織全体のプロジェクトを一元的に監視・調整するタスクです。
多くの企業や組織では複数のプロジェクトが並走しており、そこにはさまざまな依存関係や優先順位が存在します。個々のプロジェクトチームは、自身の成功のために尽力しますが、組織全体の最適化のためには俯瞰した管理が欠かせません。
たとえば、Aプロジェクトの遅延がBプロジェクトに影響を及ぼす場合、両プロジェクトを横断した対策が求められます。
こうした組織全体のプロジェクトを見渡し、最適な方向性を導くことはPMOマネージャの重要なタスクの1つです。

組織に合わせたPMO活動のカスタマイズ

組織に合わせた最適なPMO活動のカスタマイズも、PMOの重要なタスクの1つです。
組織の規模・文化・業界・目的などのさまざまな要因により、効果的なPMOの運営方法も異なります。一律のアプローチがすべての組織に適しているわけではないため、それぞれの組織に合わせたPMO活動のカスタマイズが重要です。
たとえば、IT企業でのPMOと製造業でのPMOでは、取り組むべき課題や重視すべきポイントが異なるでしょう。
PMOマネージャは所属する組織の特性をしっかりと把握し、PMOの価値の最大化を図ることが重要です。

プロジェクトマネジメントに関するナレッジ管理

PMOマネジャーのタスクには、プロジェクトマネジメントに関する知識の組織的な蓄積・共有も挙げられます。
プロジェクトの成功や失敗で得られる経験と学びは、企業にとって将来のプロジェクトに活かすための貴重な財産です。単に個人の経験に終わらせるのではなく、組織的に管理・蓄積して再現性のあるプロジェクトマネジメントのノウハウとして役立てることが求められます。
PMOマネジャーは、ナレッジ管理の手法やツールを活用して、組織内での情報共有文化を築くことが重要なタスクの1つです。

以上、PMOの具体的なタスクでした。
最後に、PMOに求められるスキルを紹介していきます。

PMOが役割と責任を果たすためのスキル一覧

PMOはプロジェクトの支援や組織的な戦略立案を担うため、幅広いスキルと知識が求められます。
代表的な5つのスキルは下記のとおりです。

プロジェクトマネジメントスキルプロジェクトの計画、実行、監視、および完了を効果的に管理するための能力
コミュニケーションスキルチームメンバーやステークホルダーとの情報共有や合意形成を図る能力
分析・意思決定のスキル複雑な情報や状況を解析し、最適な判断や決断を下すための能力
技術的知識プロジェクトの内容や使用技術に関する基礎的な知識や理解
リーダーシップと対人関係構築のスキルチームを導き、信頼関係を築きながら目標達成を促進する能力

それぞれを詳しく見ていきましょう。

プロジェクトマネジメントスキル

プロジェクトマネジメントスキルは、PMOに求められるもっとも基本的なスキルです。
プロジェクトマネジメントを組織的に管理し目標を達成するためには、計画・実行・モニタリング・コントロールの一連のプロセスに関する専門的な知識とスキルが欠かせません。
体系的な知識とスキルを身につけるためには、プロジェクトマネジメントの国際標準である「PMBOK(Project Management Body of Knowledge:ピンボック)」を学ぶと良いでしょう。国際資格の「PMP」や、国家資格の「プロジェクトマネージャ試験(PM)」などの資格取得を通してPMBOKを学習していくと効果的です。

コミュニケーションスキル

PMOには、多様な背景を持つステークホルダーと意思疎通や合意形成を図るためのコミュニケーションスキルも欠かせません。
日々の進捗情報収集や会議運営などで、PMOはさまざまなステークホルダーと連携します。また、プロジェクトに問題が発生した際には、中立的な立場を守りながら多様な意見の調整を図らなくてはなりません。そのためには、高度なコミュニケーションスキルが必要です。
コミュニケーションスキルを身につけるためには、コミュニケーション関連の書籍やセミナーなどでテクニックを学ぶとともに、プロジェクトの現場で経験を積み重ねると良いでしょう。

情報分析のスキル

PMOとしての活躍レベルを高めるためには、情報分析のスキルが必要です。
PMOは、進捗・コスト・品質などのさまざまな情報を処理し、個々のプロジェクトや組織的な意思決定に必要な材料を提示します。そのためには多様なデータを適切に分析し、分析結果をわかりやすく可視化する能力が必要です。
分析力を高めるためには、書籍やセミナーで方法論を学びながら、効果的なツールの活用方法を習得すると良いでしょう。

技術的知識

PMOがプロジェクトの進行を効果的にサポートする上で、関連する分野の技術的な知識が必要です。
エンジニアやプログラマーのような高度な専門知識はいりません。しかし、PMやプロジェクトメンバーとのコミュニケーションの障壁を減らすため、最低限の技術知識が求められます。
たとえば技術的な制約を議論する会議で、進行役のPMOが技術知識を持っていれば会議をスムーズに進められるでしょう。
PMOが身につけるべき技術知識は、プロジェクトによって異なります。担当プロジェクトに関連する技術に興味を持ち、積極的に学ぶ姿勢が大切です。

リーダーシップと対人関係構築のスキル

PMOとしてプロジェクトの成功に貢献するためには、リーダーシップと対人関係構築のスキルも欠かせません。
PMOは、さまざまなステークホルダーとともにプロジェクトのプロセスを進める必要があります。そのためには、チームや関連部署を方向づけて協力を得るためのリーダーシップが不可欠です。また、調整や交渉を円滑に進めるために良好な人間関係を築く力も求められます。
リーダーシップと対人関係構築のスキルは、トレーニング形式の研修などで理論的に学ぶことが可能です。学んだことをプロジェクトの現場で実践し、経験を通して自分のものにしていくと良いでしょう。

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まとめ|PMOは組織全体のプロジェクトの成否を左右する重要な役割

本記事を通して、以下のことがわかりました。

  • PMOの役割は、プロジェクト推進の支援や組織全体のプロジェクトマネジメントの質の向上を図ること
  • 具体的には、プロジェクトマネジメントに関する事務サポートや情報分析・標準化に加え、組織全体を俯瞰した戦略立案などを担う
  • PMOには、プロジェクトマネジメントスキル・コミュニケーションスキル・情報分析のスキルなど幅広いスキルが必要

PMOはプロジェクトを横断的に支援し、組織全体のプロジェクトマネジメントの質や効率を向上させる役割を担う職種です。多方面とコミュニケーションを取りながら、人と組織を動かすPMOの仕事に魅力を感じた人は、PMOを目指してみてはいかがでしょうか。

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執筆者
しーそー
大手証券系システム会社での20年間のシステムエンジニア(SE)歴を経て、2022年4月よりライターの道へ。前職では主に設計・要件定義などの上流工程やプロジェクトマネジメントを経験。職歴を活かしたIT・金融関係の記事や、趣味と実益を兼ねた資産運用・仮想通貨などが得意ジャンル。2児の父として子育てにも奮闘中